アカセの仕事

開発事例

アカセではインフラに関わるシステムの受託開発を軸に、GISの技術を応用した新サービスの開発にも取り組んでいます。ここでは2017年にカットオーバーしたオリジナルアプリケーション「サイクリングロードマップシステム」の開発ストーリーをご紹介します。

アカセでは、GIS(地図情報管理システム)を用いて、ガス会社様のインフラを支えるシステムを長年にわたり提供してきました。その強みを新しいサービスに活かせないかと検討するところから始まったのが、地図情報管理システムと連動したWebアプリケーション「サイクリングロードマップシステム(CMS)」です。「CMS」開発の経緯を、ソフトウェア事業部のリーダー、大野に振り返ってもらいました。

推奨100コースへと育てていくプロジェクト

自転車に乗っている初級者から上級者を問わず、自身の目的に合わせてサイクリングコースを検索できるサイトが「CMS」です。コースを表示するだけでなく、地図情報とも連動し周辺のスポット情報も網羅しています。駐輪場や休憩所、トイレといったインフラだけでなく、景色のいい場所や宿泊施設なども検索できるので、楽しみながら走ることが可能です。また、検索以外にお気に入りルートやスポットの登録といった機能も備えています。

もともとは、アカセの強みであるGISに関係する新しいサービスを検討していたところ、「自転車のコースを管理・検索できるシステムを作れないか?」という話が持ち上がったのをきっかけに「CMS」の開発は始まりました。誰もが無秩序に情報を登録できるのではなく、管理者が登録情報を管理することで「安全」かつ「正確」な情報提供を行えるサイトにしたいというのが大きな目的です。

2017年のカットオーバー時点では、まだ2コースだけの登録ですが、将来的にはサイクリングコース100選へと育てていく予定です。それだけに、コース、スポットの設定・表示方法、グローバル化を視野にいれたアイコンの設定、評価システムの導入などには気を使いました。国や地方公共団体では、観光施策としてのサイクルツアーを推進しているので、その要件を網羅できるよう、データベース設計を重点に行う必要があったからです。

不特定多数のアクセスを
想定したWebアプリケーション開発の難しさ

Webを使った部分的な機能のシステム開発は経験がありましたが、完全にゼロからWebアプリケーションを作るのは初めてだったため、手探りの中、開発プロジェクトは始まりました。

サイトとしての見易さのほか、検索などの利便性の高さ、観光時のサイクリングで活用したい外国人の方への配慮など、多くのユーザーを想定した開発となるため、まず「基盤となるクラウドサービスは何を使うのか」「データベースはどのように構築するか」などの検討事項は山積みでした。

新しいサービスを検討する際には、まずはどうやって実現できるか、調査・研究することから始まります。社内にも「知っている人」がいないので、ユーザサイトを活用したり、セミナーに出席するなど、とにかくゼロから調べるところから始め、なんとか要件を纏めました。そこからシステムを構築していくのですが、完成までは長い道のりでした。

中でも特に神経をすり減らしたのはセキュリティです。「CMS」ではコースの安全性や掲載情報の正確性が求められるため、不正アクセスによる改ざんなどへの対策は必須となります。この点は、開発途中で専門のセキュリティベンダによるセキュリティ診断を行いました。結果としては大きな点での指摘事項は見当たりませんでしたが、初めてのことでしたので診断結果が出るまで、かなり不安になったことを思い出します。

こうした過程を経て、いざ「CMS」が形になった時は、ゼロからのスタートだっただけに感慨深いものがありました。
これからシステムを育てていくには、また別の苦労があると思います。でもその先にはきっと更に大きな喜びがあるとも思います。今はまだ最低限の機能を有しているだけですが、より使いやすく、より“使おう”と思ってもらえる仕掛けを組みこんでいきたいと思っています。

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